日本酒は生きているから味わいを残したい

戦後になり、日本酒の消費量は一貫して下がり続けていました。

21世紀になってもこの減少傾向が継続していましたが、ここ最近になって少しずつ流れが変わってきています。

ひとつは、清酒が国際的にも見直されてきていることがあげられるでしょう。

清酒を海外へ輸出してその美味しさを世界中の方に知ってもらおうとの運動が徐々に実を結びつつあり、年々輸出量は増加しています。

また、その一方で清酒の飲み方にも変化が現れていて、消費量を引き上げはじめているのです。

これまでは冷やか熱燗程度しかバリエーションがなかった飲み方が、カクテル的にいろいろなものを混ぜるという発想も出て来ています。

こうした新たな取り組みは、他の種類に大きく触発されて起きている変化です。

同じように他のお酒、特にワインに影響されて出て来たのが保存時の温度管理についての考えです。

ワインでは古くから保存環境は重要視されていて、よい状態に置かれたワインでなければよい味にはならないとの評価が定まっています。

この観点から飲む直前までワインセラーで管理するのは当たり前の事になっているのですが、同じ醸造酒の日本酒ではこうした取り組みはされておらず、早いうちに飲んでしまうという方法が主流でした。

この流れを変える発想が、サケセラーです。

マイナス5度から20度と幅のある温度設定や一升瓶でも入る構造など、日本酒ならではの特徴をつかんだ仕様は、これからの清酒の需要をより喚起させる重要アイテムとなっていくでしょう。